シカクとシカクとシカク……シッカク 4

日本のバブルが崩壊したのも

1億国民全員が

足元の大きな死角に

気づかなかったからだ。

与えられたポジションほどの

日本経済がキャパシティを

持っていないにもかかわらず

誤った視覚を盲信し暴走した結果である。

ポジションは

大きすぎても小さすぎてもいけないが

中には3倍の器を与えられて伸びる人もいれば

1ミリずつ大きくしても

潰れてしまう人がいる。

すべては個人の力量と

まわりの動きとのタイミングである。

またポジションというのはサラリーマンの場合

辞令ひとつ一夜にして変わってしまう。

それによって

視覚を180度変えなくてはならないこともザラにある。

極端な例を言えば

大会社において

主任時代は労働組合員として

やれ時短しろやれ賃上げしろと言っていても

課長の辞令を受けると一夜にして

管理側に回らなければならない。

竹菱康博